「杏璃!おはよー」 「杏璃ちゃーん!」 「おはよ!杏ちゃん!」 何故かあたしは、知らない人にまでおはようの挨拶をされる。 いや、見たことはある。 知っている人はいるけど、あたしには¨友達¨なんて一人もいない。 中には男の子までがあたしに手を振ってくる。 この光景は、大学に入学してから一ヶ月で当たり前になった。 あたしの知らない人が声をかけてくる。まるで、大学にいる全員があたしを知っているかのように。