「優香の顔見て教室の男子が
 顔赤くしてんのわからねぇーのか?
 バカ。んな顔してんじゃねぇー!」

何を言ってるのかわからない。

といったような顔で
彼女は俺を見つめた。


「だれも私の事なんて見てないよ。
 しかも、私、そこまでかわいくないし」


・・・この天然、無自覚女め!

「とにかく俺の前だけで笑ってろ」

「えぇー!なんでー!?」

そういいながら
彼女はうつむいた。

「それより!
 いい加減離してよ!」

「無理」

「離してってば!」

「じゃあ優香からキスして」

「はぁ?
 みんなの前で
 できるわけないじゃん!」

「じゃあ離さねぇー」

「・・・もう!
 わかったよ!
 すればいいんでしょ!」

「そうそう。すればいいの」

「どーなってもしらないからね」



そういって
彼女は俺にキスをした。