「そんなこと・・・。
 私の父が許さない。
 いくら滝本財閥の権力が
 強くても・・・。


 私はもう彼のことは
 わすれたんです・・・。
 彼には私が生きている
 とだけ伝えてください」





「優香さん!!」





「あなたも危ないことを
 する人ですね・・・。
 

 もしこんなことをしたと
 父にばれたらただじゃ
 すまされないのに・・・。


 心配しないで下さい。
 父には言いませんから。
 あなたと結婚もするつもりも
 いっさいありませんし。




 それと・・・。
 今、あなたが愛している人。
 離しちゃだめですよ」





「言われなくてもそのつもり」

 




「ちゃんと腕の中に
 抱きしめておいてあげて。
 
 

 いつか・・・
 
 私のように手離してしまって
 後悔することのないように。


 それと・・・。
 航生のことよろしくお願いします」



そう言って
私は立ち上がった。