おばさんは、琇の耳元で何かを言って、暫くして離れて、 「また来てあげてね?」 と、言って、優しく優しく微笑んだ。 おばさんは、帰って行った。 私と琇は、美紀の前で突っ立っていた。 ………… 『……帰ろうか。』 「……あぁ。」 琇の声は少し震えていた。 泣いていたのだろう。 だが、あえて触れずに、ただ、ただ、泣き止むのを待っていた。