久しぶりの要のぬくもりを感じて


心も身体も何もかもが癒される。


少し息苦しくなるような彼の腕の拘束は


夢に描いたぬくもりだった。


もう、この腕のぬくもりを2度と


味わえないかもしれないと思っていたから。


要の胸に顔を埋めると


心地いい鼓動が聴こえて来る。


まるで母親が子守唄を口ずさむように


私は心地いい彼の鼓動を聴きながら


久しぶりに深い眠りについた。




目が覚めると、少しひんやりするベッドのシーツ。


ハッとして身体を起こし、部屋を見回す。


―――――はぁ……。


良かったぁ……夢じゃない。


もしかしたら、あのぬくもりは夢だったかも


…と思い、私は侘しさを覚えた。


どうして要は傍にいてくれないの?


私は無意識に寝室を後にした。


すると―――――。