明日から学校に復帰する。

僕は、博士の家の新しい僕の部屋にいた。

「ここは、タク君の部屋だから遠慮なくつかって、それから…」

博士は淡々とこれからの暮らしについて説明した。

「リョウコさんが遺してくれた、お金があるんだ。タク君が、大学まで出ても余るくらいのね」

だから、お金の事について多少ワガママになるのはリョウちゃんに甘えるのと同じだから、遠慮はいらないそうだ。

そう言われると、遠慮したくなる僕の性格を、博士はまだ理解していない。

でも、まあ遠慮なく遣わなくてはならない。

「博士。僕、医者になろうと思うんだ」

この事を博士に相談する事は、凄く効果的だと思った。

でも、博士は黙ってしまった。

「難しいかな?」