いくらリョウちゃんでも何も言わずに仕事に行ってしまわないだろうし、進んでコンビニ行くほど行動派でもない。

それにリョウちゃんは、どこかに出かけるときは、それとなくとでも行き先を僕に伝えた。

つまり、こんなふうにスポッとなんの前触れもなくいなくなってしまうことが考えられない。

その時、急に別の考えに思いが触れた。


さっきの電話…。


カズ君を強く揺り動かしてみたけど小さく固くなるだけで全く起きる気配がない。

仕方がなく携帯電話をとりあげ、さっきの着信を見る。


「やっぱり、リョウちゃんだ」


朝からしつこくファンファーレを鳴らしていたのはリョウちゃんだったのだ。