どんなに天気がよくても気分は晴れない。

考えてみればリョウちゃんはいつも働いたり出掛けたりしてた訳だから、カズ君が言うみたいに、たいして心配する必要はないのかもしれない。

でも、なにも黙っていなくなることはないのだとは思う。

 『ドコ』に行って『イツ』帰って来るのか。

それぐらい言って行ってもいいはずだ。

「やっぱ淋しい?」カズ君が突然聞いてきた。

正直、口を効きたくなくなった。

淋しいわけじゃない。僕は、心配しているのだ。

それに、あのザラッとした感じ。

何か似たような経験を僕はしたことがあるのだ。

ものすごく小さい時に。

やっぱりもっと一生懸命になって捜すべきだと思った。

カズ君には、任せられない。