もちろん、このままここから立ち去ることも出来る。 刑事さんの言葉に頷いて、何もなかったようにも出来る。 優しい目で私を見ている刑事さんは、おそらく見逃してくれる。 だけど、そんなこと出来ない。 彼と出逢ってからの全ての出来事を、忘れることなんて出来ないから。 このお腹の子のためにも、自分のことは自分でけじめをつける。 そう決めて、ここへ来たのだから。