言い訳かもしれないけど、彼に何も言えなかったのは、姉のことがあったからだと思う。 ようやく私は、肩の荷が降りた気がした。 「ところで、本題に入ります。 事件のあと、彼の家へ行きました」 あそこを家宅捜索したということは、共犯の証拠がばっちりそろったはずだ。 彼の家には、私がいた形跡だってあるから。 「彼はどのみち、死ぬ覚悟をしていたみたいですね」 「え?」