この命を亡くしてしまえば、彼がいた証が全て消えてしまう。 予想外の出来事だったとしても、この子の命が、私を少しでも愛してくれていた証にもなる。 千夏姉と彰吾くんのためにも、この小さな命を大きく育てて守っていかないといけないんだ。 もちろん、自分自身のためにも。 起き上がった私は、鈴奈の手を握り、ごめんとありがとうを繰り返した。 泣きながら、何度も何度も。