私の手首を掴む彼の手を掴んで、私は必死に言う。 彼に、死んでなんてほしくなかったから。 「ありがとう……。 千紗……本当に、好きだった。イヤ、愛して、いたよ……」 彼の心からの言葉に、また涙が溢れる。 だけど、その言葉を最後に、彼はゆっくり目を閉じていく。 「彰吾くん……?ねぇ?」 その状況に、私は焦って彼の顔を叩く。 でも、目を開けてはくれない。