その言葉に、走っていた足は止まってしまった。 私が止まったため、手を引っ張っていた彼も止まってしまった。 私は、彼の言葉を頭の中で何度も反芻させた。 いつの間に、そんなことになっていたのだろう。 それを、信じていいのかさえ、迷ってしまう。 以前は、姉の婚約者。 だから私は、身代わりでしかないと思っていたのに。 止まっていた私を静かに見つめていた彼は、また走りだそうと手を引いた。 その時だった。 「止まりなさい! じゃないと、撃つぞっ……!」