運命‐サダメ‐




ごめんなさい。


私は、心の中で謝った。

もう、裏切ることは出来ないから。



私たちは、無我夢中で走った。


時折、刑事の声か聞こえたけど、その声を振り切るように走った。


走って、走って……

どのくらい走っただろうか。


息切れをしながら、建物の間に隠れて止まった。


周囲に目を配らせながら、息を整える。




「た、大丈夫、か?」




息も切れ切れに、彼は聞いてくる。