その言葉に、私はこくりと頷く。 彼が何を考えているのか分からない以上、今捕まる訳にはいかなかった。 私が頷いたのを見て、優しく彼は笑った。 そして、私の腕を引っ張ったのを合図として、私たちは走り出した。 「あっ、待ちなさい!!」 私たちが逃げるとは思っていなかったのか、刑事は焦って大声を出す。 その声に、私は少しだけ振り返った。 それでも、彼に引っ張られたままの私は、止まることは出来ない。