「此処なら大丈夫だよ」


連れて来られた場所は小屋だった。


「ここは・・・? 」


初めて知った場所に、私は目を丸くした。


「ボクの秘密の場所だよ。1人になりたい時や、考え事をしたい時によく来るんだ」


はい、コトッ、とカップを差し出され、


「ココアだよ」


ほわほわと湯気をあげるカップに口を付けると、甘い味が口一杯に広がった。


「……おいしい・・・」


全部飲み干した私は、彼に語りかけた。


「ねぇ、飲まないの? 」


彼は私を見詰めてにこにこ笑ってるだけで、飲み物を飲んでいない。


「ボクはいいんだよ」


柔和に言われ、ポンポンと頭を撫でられる。


「いいの? 」


上目遣いに聞くと、くす、と笑みで、かわいい、と抱き締められた。