「……さく? 」


昔の思い出に浸っていた私は、彼の声で我に帰った。


「あ、ごめん・・・」


空はどんよりとしていて、今にも降りだしそうな天気になっていた。


「降りそうだね」


彼は言うと、私を横抱きにし


「ちょっと我慢してね?」


……森へと駆け出した。