水色べんとう

「え、なに?春橋の弁当、ひより屋のやつなの?」
 
私がお弁当箱をあけようとしたときに、そうやって不意に、声をかけられた、びっくりして上を見上げると、クラスメートの笹木君が興味深そうにこちらを見ていた。

「見せろよ」

「……嫌だよ」

「なんで?」

「私、笹木君嫌いだから」

「酷!?」
 
笹木君はけらけら笑うが、私は尚も仏頂面のままだった。
 
彼とは小学生のときからずっと同じ学校に通っている。

家から遥か遠い学校を受験したという理由もあって、高校に同じ中学の人はいないだろうなと思っていたら、入学式で配られたクラス名簿に、彼の名前があったのだ。
 
なにかと私に意地悪なことをしてくるため、私は彼が若干苦手だ。