水色べんとう

「さくらは、彼氏さんとかいないの?」

「へ?」
 
素っ頓狂な声を出すさくら。この反応はどうやら、それらしき存在はまだなようだ。

「え、だって、まだ高校生だし。早くない?」

「えー。あたしなんて、中学のときですら三人と付き合ったよ」

「空、それ軽過ぎ」
 
さくらは苦く笑った。

「でも、さくらならモテそうなんだけどなあ」
 
頭に笹木の顔を思い浮かべながら、あたしは言った。