水色べんとう

「でも、実際問題、困ることとかないの?女の子の二人暮らしで」

「うーん……どうだろう。私もおねえちゃんも、案外楽に暮らしてるよ」

「へえ……」

「まあ、頼れる存在が傍にいないっていうのは、たまにしんどいけど」

「………………」
 
さくらのその一言に、あたしは黙ってしまった。誰にも頼れない、なんて、そんなの、あたしだったらしんどくて、根をあげちゃっていると思う。
 
だからあたしはこの子に頼られる存在になろうと思った。
 
それは小さな決意だった。