水色べんとう

「あ……山口さん」

「今、寄り道?」

「うん」

「隣、座っていいかな?」

「もちろん」
 
私は春橋さんの横に腰掛けた。春橋さんは、ぼんやりと空を眺めていた。なんだか、その横顔は、どこか寂しそうで、なにかを追い求めているかのような気がした。いや、なにかを待っている、かな……とにかく、なにか、不安定な顔をしていた。
 
ふらふらしているというか。
 
放っておくと、どこか遠くへ行ってしまいそう。