水色べんとう

「おーい笹木。帰りにカラオケ行こうぜー」

「おー行く行く。そんじゃあな、山口!」

「ああ……ごめんね、時間とらせちゃって。ありがとう、笹木君」

「あー」
 
笹木君は気だるげに言った。

「笹木でいいよ」

「え?あ、そう」

「そんじゃーな」
 
その時のあたしは、
 
なにか、なにか大きなことが起こる予感を、感じていた。