「でも、もうその必要はないよね」
 
ぐ!と親指をつきだす。

「これからは、保護者としてじゃなくて、ちゃんと、友達になろう」

「……友達」

「そう。私は、さくらのことが、もっと知りたい、かな」
 
空はまた笑った。だから私も笑った。

「さ。じゃあ私は笹木を励ましてくるかな……」
 
そう言うと、立ち上がってどこかへ行ってしまう。

「一人でゆっくり食べてな。おいしいおいしい彼氏さんの手料理だしね?」
 
悪戯っぽくそんなことを言われてしまうので、私は顔を赤く染めて「もう!」と言った。でも、嬉しくて、笑ってみせた。