「あのさあ」
 
笹木君はぶっきらぼうに私に言った。学校の屋上で、その場には空もいた。お昼休みにたまには外でお昼を食べよう、と思ってこの場所にきていた。

「なに?」

「前から言いたかったんだけど」

「ん?」
 
私は小首を傾げて聞いた。横では空が何故かにやにやとしている。

「好き、だった」

「は?」

「餓鬼の頃から、ずっと」

「え?」

「ん、それだけ。じゃあ」
 
笹木君は満足そうに笑うと、その場から去っていってしまった。残された私はなにがなんだかわからず、ただ口をぽかんとあけて呆けてしまう。