水色べんとう

「中学生って、残酷だから、同じクラスの男の子に心ないことを言われたりもした。それで、ぼくは、自分に自信がなくなってた」

「そんな……」

「でもね、さくらちゃんと会って、さくらちゃんの笑ってる顔を見て、さくらちゃんと遊んで、それも、どうでもよくなった。この子を守ってあげたい、って思った」

「………………」

「泣き虫で、でも強がりで、一生懸命お母さんを喜ばそうと、お母さんの気を引こうとしていた君を見て、ああ、この子はなんて健気なんだろうって思った。この子がぼくの妹になったら、どんなにいいだろう、って……」
 
その言葉に、私の胸がずきりと痛んだ。痛い。痛いなあ。