「でも、そう考えると、お互い気がつかなかったのも不思議じゃないね。ぼくは方言が治ってたし、さくらちゃんは女の子から女性になってた」 「……成長、ですか」 「うん。お互い、成長してた」 足元に転がっていた石を蹴りとばす相上さん。私は、転がっていく石を、ただ見つめていた。