水色べんとう

「―――――相上さん!」
 
相上さんはいつものお弁当屋さんにいた。カウンターから顔を出して、ぼうっと呆けていた。なにかを考えているようだった。

「ああ……さくらちゃん」

「相上さん……わ、私……」

「さくらちゃん」
 
相上さんはそう言うと、優しく微笑んで、

「そこに座って」

「へ?」

「話をしよう」
 
私は、相上さんの言葉に大きく頷いた。相上さんもカウンターから出てきて、私の隣のベンチに腰掛けた。