水色べんとう

「……そ、それで?」

「ミツルさんに、会った。彼は、昔と変わらない、私の大好きな優しい笑みで、おかえり、って言ってくれたの。だから、ただいま、って返した。それだけ」

「……それ、だけ?」

「うん。それだけ」
 
それでいいのよ、とお母さんは笑った。だから私も、涙をぬぐって笑ってみせた。