水色べんとう

「さて。えーと、どこから話そうかなぁ」
 
そんなふうに呑気に考える母親の横顔を見て、私は怒りを覚えると同時に、どこか自分に疑問を抱いていた。
 
さっき私は「すごく心配した」と言っていた。それは、本当だろうか。

確かに、心配は、した。だけど、そんなに言うほどではない。だって、生きていればまた会える、と、呑気に構えていたくらいなのだから。だとすると私は今、何故こんなに怒っているのだろうか?