水色べんとう

「調子に乗ったこと言ってんじゃ―――」

ねえよ!というと同時に、拳が振られると――おもった。
 
だけど。
「―――あきまへんなあ」
 
そこには。
 
自分よりもはるかに体格の良い男の人の拳を、片手でとめる、相上さんの姿があった。その表情にはいつもの笑顔は浮かべられていなくて、ちょっとだけ怖い顔をしていた。

「女の子相手に暴力はあきまへん。それでもあんさん、おとこしどすか?」

「な……なんだよ、お前!」

「たやの通りすがりどす。ほんま、かんにんね」
 
今度はいつも通りの笑顔を見せて、男の人の腕を放す相上さん。そして今度は私の腕をとり、「行こう」と優しく微笑んだ。