頭が、クラクラする…。

嬉しいのか、悲しいのか分からなくて涙が溢れ出した。


「え、佳奈…?」


いきなり泣きはじめた私に、遥佳くんは困ってしまっている。

ねぇ、遥佳くん。
そっちから見たら何も見えないかもしれない。

けれど、私から見たら遥佳くんと私の差は物凄いの。


「私も遥佳くんが大好き」

「本当に!?」


遥佳くんが嬉しそうな顔をする。
そんな顔にすらトキメク私は、かなり遥佳くんが好きなんだと思う。


「けど、私は遥佳くんの気持ちには答えられない」

「…なんで?」

「旦那様に言われました。遥佳様と私では、立場が違いすぎると。遥佳様、こんな私を好きになって頂いてありがとうございます。でも…」


いきなり、メイド口調になる私に遥佳様は顔をしかめた。


「遥佳様の人生を、私なんかで汚すわけにはいかないんです」

「家がどうとか、そうじゃなくて。佳奈は俺が好きなんだろ?なら、それだけで良いじゃないか」


遥佳様がとても切なそうな顔をされる。