朝、いきなり遥佳くんから昼の12時までには西城家にいて、と電話があった。

意味が分からず、準備して西城家に行くと遥佳くんの姿はなかった。


「美乃梨様、こちらでお待ちください」

「ありがとう。あなた、見ない顔ね」

「あ、遥佳様に言いつけられまして美乃梨様とお話しをするようにと…。普段は庭係りです」

「わざわざありがとう。お名前は?」

「佳奈です」

「佳奈さん。よろしくね」


佳奈と名乗ったそのメイドは、とても可愛くてフワリとした雰囲気をかもしだしていた。

年も私たちと同じくらいだと思う。


「佳奈さんは何歳なの?」

「美乃梨様の一つ下です」

「ここはバイトで?」

「いえ、あの…住み込みで」


そう言った瞬間に、佳奈ちゃんは顔を真っ赤にさせた。
「恥ずかしい」という気持ちになったのだろう。


「ねぇ、私は佳奈ちゃんって呼ぶから。佳奈ちゃんも私に様付けしないで?」

「む、無理です。雇われている身なので」


そんな謙遜する所が可愛くて、妹ができた気分になった。