君たちが暮らしているのは
人工的な大きな街で


オレンジ色のガス灯に包まれて
石造りの建造物に囲まれて

人々は
「暗闇」を恐れた――


ガス工業が進んだ故の
うっすらと白い霧に包まれて

風たちは
一生懸命に吹くのだけれど

絶え間なく
発生し続ける白い霧に

いつの日か
風たちも諦めた――



気付きたい?
気付きたくない?

知らない方が
幸せだったかもしれないよ



世界の中心には

大きな大きな
深い「樹海」が在る


君に教えたのは

その内部に隠された
僕たちの秘密事――…



「干渉し合わない」

それが世の理だったのにね


僕たちは
それを破ってしまったね

でも仕方なかった…


きっと
運命に紡がれていた--