今度はジンくんの不服の声。
それを学園長は静かにピシャリと止めた。


「君はダメでしょ。用務員なんだから、ガス灯でしょ。…あ、僕が一緒に行こうかな」

「呑気な!!あんたもダメでしょ、学園長!!」

「ちぇ~」

僕の故郷は少しばかり遠く、
往復に1日ずつを使ってしまうので、仕事が長期の休みでもない限りは帰る事はない。

それにしても、
「随分」と言っても、半年前位には帰ったんじゃないか?

しかし、
僕の実家はのどかな場所にあるので、この街で生活をする上でコンに大きな負担をかけている事は分かっている。

一旦帰って、
羽を伸ばさせてやろうか。


「…あ、ミハルくん。僕がついて行くのは、流石に諦めるけどね。僕の代わりに連れて行って欲しい人が居るんだよね?」

「………は?」

学園長が、また訳の分からぬ事を言い出していた。

意味が分からない。
羽を伸ばす為に帰郷するってゆうのに、何故僕の実家に誰かを連れて行く事になるのか。


「…僕の溺愛する孫娘がね、興味津々なんだよね」

「…孫…娘…?はぁ?」

冗談なのか本気なのか。
この人は本当に分かりづらい。

しかし、
今回は…本気だったようだ。