「なになに、悩み事?なんなら俺が相談にのるけど」

「結構です」



キッパリと言い放ち、急ぎ足で菊池先生から離れようとする。

なのに菊池先生はついて来る。



「……」

「なぁ、意地張るなよ」

「……」

「せっかく相談にのってやるって言ってんのに」

「……」



う、ウザイ……!!

とてつもなくウザイ!!

一体どこまで着いてくるのよ!!



ここは一言なにか言ったほうが……。



後ろを振りかえったとき、鋭い視線が私を射抜いた。

氷のような冷たさに何も出来ない。



「いいかげんにしろよ。俺、気が短いんだ」



ドスの聞いた声が耳に流れ込んできた。