竹刀の先、たしかに天上先生を捕らえていた。

これってもしかして……。



「一本!!試合終了です」

「やったぁ!!勝った勝った!!」



竹刀を投げ捨てて、思わず小躍り。

偉そうな天上先生に勝った!!



「俺が負けたのはワザとだ。勘違いすんじゃねぇ」

「でも最後避けなかったよね!!」

「仕方ないく避けなかっただけだ」



そこにいそいそと部員の一人が割り込んできた。



「天上先生、嘘はいけないっすよ。最後の攻撃の瞬間、『こいつならいいな』って小声で言ったじゃないっすか~」

「俺はそんなこと……!!」

「えっ、そうなの!!天上先生って意外と優しい人なんですね。」



私は天上先生に向かって微笑んだ。



「そういう優しい人、大好き!!」