「あの、ごめんなさい」 「気にしないでください。また作ればいいのですから」 「でも私……」 涙声になりかけた。 そのとき悠先生の小さな手が、私の頭を撫でた。 「クッキーはいつでも作れます。でも怪我は一生残ります。須藤先生に怪我が無くて良かったです」 数回私の頭をポンポンと叩いて、悠先生はクッキーを拾い始めた。 「って、先生!!悠先生!!手が……!!」 「えっ?」