「なぁ須藤だったか……?」
「そうですけど」
「お前何か勘違いしてねぇか」
「何をですか」
「そいつ男」
「は?」
彼が指差す方向を目で追う。
その先にいるのは悠ちゃんだけ。
「いやいや私をからかわないでください」
「いやマジだって……」
「違うよね。悠ちゃんは女の子だよね」
「僕は男ですが……」
「いやさっきあの人に『お姫』って呼ばれてたじゃ……」
「あれはオレが勝手に付けたの。女みたいだから」
「ということは……」
「僕は男ですよ」
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