「僕は岸谷優二。でこっちの黒髪が……」
「天上聖だ。でこのチビは雅ひかる」
「チビって言わないでよー」
「ここで会ったのも何かの縁かもしれないし、名前を教えてくれないかな?」
「須藤めぐです」
「そっかよろしくね、めぐちゃん」
そう言って岸谷さんは私に微笑みかけてくれた。
まるで太陽みたい。
心がじわじわと暖められてる。
そんな気がする。
そんな岸谷さんを押しのけて、天上さんが割り込んできた。
なぜか私を睨んでくる。
目つきは狼のようにとっても鋭い。
髪もスーツも靴も、黒色で揃えていてなんだか怖い印象。
さらに日に焼けた肌が、いっそう怖さを増している。
「立ち話もいいが、そろそろ時間だぞ」
「ほんとだね。残念」
