……。



一向に頬に触れられる感覚が来ない。

おそるおそる目を開けてみる。



「てめぇは朝っぱらから何やってんだよ」

「女の子を泣かすのは関心しないね」

「わー、離してよー!!」



さっきまで私に接近してきた彼は、黒髪の男の人によって捕らえられたいた。

その横でまた別のメガネの男の人がすこし笑っていた。



こちらの視線に気付いたのか、メガネの人が近づいてくる。

すっと手を差し出してきた。



「僕の後輩が迷惑かけてごめんね。大丈夫?」

「は、はい……」



私は彼の手を握り返した。



すっごく優しい人。

声もすごくやわらかくて、お兄ちゃんみたい。