緊張感漂う中、無事に入学式が終わり教室に案内された。
1年2組に入ると、机に名前が貼ってある。
自分の名前を探すと席についた。
周りを見ても、純那の名前が無い。
あ〜あ、違うクラスか……。
そう思っていると、ケータイのバイブが鳴る。
こっそりポケットからケータイを取り出し、メールを見ると純那から。
純那も同じことを思ってたみたい。
【柚子、何組?】
なんて、やっぱり以心伝心だな。
速攻、返信。
【2組だよ。純那は?】
そう返信した瞬間、教室のドアが開き、先生が入ってきた。
背が小さくてたれ目の、年取った先生。
そんな印象。
そんなことより、純那のクラスの方が気になったけど、返信が来ない。
あっちも先生が来ちゃったのかな?
ケータイをポケットにしまう。
仕方なく黒板に目を向けると、先生が大きく名前を書いていた。
【高島 井五郎】
いごろうって……。
色々突っ込みたくなるのを抑えて、先生の話を聞く。
はぁー、早く終わらないかな。