冷たい雨は、降り続ける。それは血に染まった俺の体を洗い流すかのようにー

「おい、終わったのか?」

とある男が、俺に声をかける。同期なのか、上官なのか、もう思い出せない。ただ、同じ国のやつだったことは覚えている。そんな奴が、俺に声をかけた。

男は、俺の足元に転がっている少女と女の死体を、まるで汚いものをみるように、顔を歪めながら一瞥する。

「てこずらせやがって…」

男はそう呟くと、少女と女の死体を蹴ろうとした。

瞬間、乾いた音が、雨音に混ざった。同時に、男が倒れた。