「ねぇ、凛童ちゃん。最後だと思ってよく聞いて」

彼が微笑みを絶やすことなく、切り出す。私は無言で彼の言葉を聞く。彼は微笑みながら、口を開いた。

「悪魔は人が作り出した幻想と、現実では言われている。科学的には確かに証明できないしね。影で悪魔も凛童ちゃんのような存在はいるけど、それも世界の裏側の存在だね」

彼は微笑みを絶やすことなく、言葉を紡ぐ。私は彼に隙ができないか見ながら、聞き続けた。遠くから聞こえる自動車のエンジン音が、今は空気にとけるような感じがした。

「君らの目的は、悪魔が及ぼす人間への被害を撲滅すること。そのために悪魔を殺す。じゃぁ―逆に悪魔の目的はなんだと思う?」