カチッ、カチッ、と、時計の秒針が動く音が私と安久李さんだけがいる教室に響き渡る。 体を圧倒的な恐怖と、混乱と、理解不能な甘く、切ないもので支配される。 体が動かない。安久李さんの腕のなかにいるため、動くことができない。 私は無駄とわかっていながら、もがいた。しかし、彼は受け入れることはしない。それどころか、彼は腕の力を強める。 「離せっ…!!!!!!」 やっと喉から発せられた拒絶を、彼を受け入れない。 背中に冷たい汗が流れる。それと同時に早くなる心臓の拍動と、頬の熱を私は感じた。