「返せ!!!」


私は床に落ちた鞄の中から対悪魔銃を取りだし、安久李さんに向ける。

銃を向ける手が、小さく震えている。なぜかはわからない。しかし、手は震えて銃を握るのが精一杯だった。

安久李さんは肩をすくめ、私に歩み寄る。

瞬間、ひゅっと自分の喉がなったのがわかった。背中に冷や汗が伝った。怖い…!!私は目を閉じ、引き金を引こうとした。

しかし、手に上手く力が入らず引き金を最後まで引くことができない。

そんな私のことなど露知らず、安久李さんは私の前にしゃがみこんだ。

とにかく、怖かった。自分は死ぬのだろうか、そんなことばかりが頭をよぎり、歯の根が合わないほど震えていた。助けて…!!声も出ず、私は強く目を閉じた。

瞬間、自分の体に軽い圧迫感を感じた。

不思議に思い、恐る恐る目を開けた。そして、目を丸くした。

自分の体が、安久李さんの腕のなかにいたのだ。