悪魔が雄叫びをあげる。


普通の人間なら衝撃波のようなこの悪魔の雄叫びで吹っ飛んでしまいそうだが、私は踏ん張り、悪魔との距離を延ばさなかった。



私は詠唱する。


悪魔を祓う自分の神器を発動させる言葉を―


私の手に、淡い青色の光を放つ刀が現れた。



悪魔が鋭い爪をこちらに向ける。爪で串刺しにするつもりのようだ。


悪魔の動きは早い。


しかし、速さの面では身軽な私の方が勝っていた。


「その身に悪しきものの血を浴び、悪しきものを祓え」


瞬間、刀身が強い光を放ち悪魔を一刀両断した。



悪魔特有の黒い血が私の顔につく。



悪魔の断末魔が夜の街に響いた。