私は手にしていた銃を床に落とし、ゆっくりと安久利さんに―冬馬さんに近づいた。 冬馬さんは呆然とした様子で私を見ている。 わかっている。頭の中ではわかっている、私は彼を殺さないといけない。彼は悪魔で、私は悪魔狩り屋。 世界の裏側の私たちの宿命は、どんなことがあっても覆されることはない。そんなことはわかっている―でも、 「安久李さん―いえ、冬馬さん」 私は彼を抱きしめた。