毎日悩まされていた無言電話は、こうちゃんが東京へ行ってから一度もかかってこない。

あの日を最後に、手紙も途絶えた。


これで、こうちゃんが戻ってきてくれたら
本当に穏やかに幸せな生活を送ることができる。



お願い。

早く帰ってきて、こうちゃん。


私は不安な気持ちを紛らすために、
毎日、就職活動に励んでいた。


春には、社会人になる。

そして、結婚をして

こうちゃんの奥さんになれるんだ。



そんな私の夢とは裏腹に、月日はあっという間に過ぎていった。