5年という歳月の中で、
私の心の傷はゆっくりと着実に癒えていった。
今はもう、どこに傷があったのかさえ見当たらない。


でも、こうちゃんは再び私の前に現れた。


もう昔の傷は癒えたけど、こうちゃんの存在は再び私の心に新しい傷を作った。

それは、ほんの小さな傷だった。


今はまだ、かすかな痛みすら感じないほどの。


「実は今、俺も札幌に住んでるんだ。
もしよかったら今度、どこかで会えないかな?」