一人で家を出て、
近くの公園に向かった。

結局、買い物には行かなかった。
できれば静かな場所で、少し気持ちを落ち着かせたかったから。

それにしても、一人で公園に来るのは本当に久しぶり。
もしかしたら、彼を最後に見た5年前のあの日以来かもしれない。


ベンチに腰をかけて、目を閉じる。


こうやって目を閉じると、こうちゃんと過ごした日々の思い出が静かに蘇る。



幸せだった時間。

不安と絶望の日々。


そして、別れ―――。


もう思い出すことなんてないと思っていた記憶。